第41章

「問題ありません。鈴木青に手配して、病院の口座へ振り込ませます」

橋野悠希が眉をつり上げる。

「いいですね。長川様って、ほんと気前がいい。じゃあ――少しだけ優しくしてあげます」

女ひとりのために、三千万をぽんと投げる。

それが本気じゃなくて何だっていうの。……はっ、反吐が出る。死ね、クズ男。

長川貞也は、目の前で閉ざされた実験室の扉をじっと見つめ、ゆっくりと瞼を下ろした。

ユキの腕は信じている。けれど、長川涼があの部屋へ入るたびに、胸の奥がざわつく。

また失うのではないか――昔、弟を失った時と同じ恐怖が、喉元までせり上がってくる。

そこへ。

コツ、コツ、コツ。

ハイヒール...

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