第60章

長川貞也も眉間にしわを寄せた。

「第二の案なんてない。金銭的な支援はもうしている。それでも自分たちで立てないなら、俺がどれだけ手を貸しても、結局まともに暮らせない」

「言い分だけは立派だね。で、何の役にも立ってない」橋野悠希が思わず突っ込む。

金があれば解決できる厄介ごとは確かに多い。けれど長川貞也は、相手が目の見えない大人と、せいぜい五、六歳にしか見えない子どもだということを忘れている。こんな胡散臭い連中がうろつく場所で、その金をどう守れというのか。

金を投げるだけじゃ、崩れかけた家は救えない。

「じゃあどうしろって? うちに引き取って、俺が面倒見て育てろって言うのか」長川貞也の...

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