第88章

セーターはコートに絡め取られたみたいに、ぐい、と引っ張られてずれた。露わになったのは、陶器みたいに白い肌――見た者の想像をいやでも掻き立てるほどの面積。

それに、ちらりと覗く黒い肩紐。どこか秘密めいていて、余計に目を奪う。

たかが上着を一枚脱いだだけだというのに、その場の空気は一気に張り詰め、誰もが心臓を掴まれたように息を止めた。

異様な視線に気づいた橋野悠希は、ただ笑って、コートを脇の椅子へ無造作に掛ける。

「続けようか!」

方村与助が口を挟むまでもない。周囲のギャンブラーたちは、今にも橋野悠希をその場で剥ぎ取りたそうな勢いで、声を張り上げた。

「次で勝てるかもしれないだろ? ...

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