第121章

彼女は携帯をしまい、斎藤恭介の車に乗って水原家へと向かった。

距離が近かったため、彼らが到着した時には、石川秀樹一行はまだ着いていなかった。他の招待客はあらかた到着していたが、そのほとんどが格式の高い人物ではなく、とてもじゃないが晴れの舞台には上がれないような人々だった。

佐藤雅子はもともと腹を立てていたが、これでさらに顔色を曇らせた。石川グループの会長夫人たる自分がこのような場所に来るなど、まったくもって沽券に関わる。

水原家の夫妻は客をもてなしている最中だったが、彼女の姿を認めると、ぱっと目を輝かせた。まさか本当に来てくれるとは思ってもみなかったのだ。この出来事は彼らの虚栄心を大い...

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