第180章

「大旦那様が仰せです。『秀樹はプライベートに干渉されるのを嫌う。結婚については、奥様が気配りをする必要はない』と。特に昨日のような、社員のデザイン画を破り捨てるような真似は、石川家の顔に泥を塗る行為だと……」

「あたしに向かって、よくもそんな口がきけるわね?」

琴音の言葉が終わるのを待たずに、佐藤雅子の怒りが爆発した。彼女は琴音の立場などお構いなしに、金切り声を張り上げた。

「お義母様に気に入られていたからって、石川家で大きな顔ができると勘違いしないでちょうだい。友人なんて聞こえはいいけれど、所詮はただの使用人でしょ。それにお義母様が亡くなって何年も経つのよ、いつまであなたが……」

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