第194章

「じいさんたら、自分は大丈夫だ、なんともないって……私のほうが具合が悪いからって、二つしかない護心丹を全部私に残して、自分は飲もうとしなかったのよ」

 老婦人はそう語りながら、目元を赤くした。

 息子夫婦は親不孝者だが、彼女の夫――祖父は本当に、生涯をかけて彼女を守り抜いてくれたのだ。

 祖父は笑って言った。

「よしなさい、玲にそんなことを言ってどうする。それに、ほら、わしはこの通りピンピンしておるじゃないか」

「何かあってからじゃ遅いんですよ」

 石川秀樹が呆れたように口を挟む。

「おじいちゃん」

 水原玲もまた、呆れ顔で言った。

「言ったでしょう? 護心丹ならいくらでも...

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