第203章

 石川秀樹は無駄話をする気などさらさらなかった。単刀直入に問いただす。

「一昨日の夜、八時半から九時の間、デザイン部で何をしていた」

 その一言で、長尾光の顔色からサッと血の気が引いた。

 まさか社長がこんなに早く自分にたどり着くとは思っていなかったのだ。彼は口ごもりながら答える。

「お、俺は……デザイン部には行ってません……」

 石川秀樹は表情を曇らせ、自分の椅子に深く腰を下ろすと、冷ややかな視線を長尾光に向けた。その傲然たる態度は、長尾光が直視できないほどの威圧感を放っていた。

 斎藤恭介は、ボスがこの手合いに対して忍耐を持ち合わせていないことを熟知していたため、すぐに切り出...

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