第211章

翌朝、水原玲が石川グループの正門をくぐると、周囲から奇異な視線が突き刺さるのを感じた。

一体何事かと思っていると、デザイン部に入った途端、高塚礼佳がついてきてオフィスのドアを閉めた。

「ねえ、この前トイレに閉じ込められた件、聞いたわよ。犯人は長尾光だってね。でもおかしいじゃない。彼は営業部の人間だし、あんたとは何の恨みもないはずよ。裏で誰かが糸を引いていたに決まってるわ。間違いなく水原心奈ね」

水原玲は何も答えず、冷ややかに笑った。

誰がどう見ても水原心奈の仕業であることは明白なのに、石川秀樹だけが「証拠がない」などという理由で彼女を言いくるめていたのだ。

だが、もう済んだことだ。...

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