第213章

石川秀樹の女性関係は、石川グループにおいて尽きることのない格好のネタだ。だが、水原玲はとっくに慣れっこで、他人が何を言おうと気にも留めない。彼女はすぐに意識を切り替え、仕事へと没頭していった。

だが、水原心奈はそうはいかない。

彼女は怒りに任せてオフィスで暴れ回った。ペン、原稿用紙、設計図、マウス、キーボード、カレンダー、置物……手当たり次第に床へ薙ぎ払う。それでも、腹の虫は収まらなかった。

昨日からというもの、石川秀樹が水原玲を庇い立てするのを目の当たりにしてきた。

石川秀樹が水原玲を追いかけていく姿も見た。

駐車場でキスをしていたという噂も聞いた。

しかも、石川秀樹の方からし...

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