第218章

 その事実に気づいた瞬間、彼女は羞恥心で胸がいっぱいになった。

足首の痛みがようやく和らいだと感じるや否や、彼女は慌てて彼の手のひらから足を引っ込める。

「もう大丈夫です。ありがとうございます、石川社長」

 石川秀樹は、顔を背けて恥じらう彼女の様子を見て、冷徹な唇を思わず綻ばせた。気分は悪くない。

 彼女は逃げるように、あたふたと靴を履き直す。

 石川秀樹は斎藤恭介に電話をかけた。「出るぞ」

 斎藤恭介が急いで車を回してくる。

 帰りの車内でも、二人は相変わらず沈黙を守っていた。

 だが、その沈黙は以前のものとは少し違っていた。

 張り詰めた空気の中に、どこか艶めかしさと、...

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