第236章

 その最後の一言に、水原心奈は力が抜けたようにその場へ崩れ落ちた。

 石川秀樹は無慈悲に車の窓を閉める。

「出せ」

 走り去る車を、水原心奈は絶望の眼差しで見送った。泣き腫らした瞳が赤く燃える。まさか彼が、ここまで非情になれるとは思いもしなかった。

 一分の隙も与えず、彼は徹底して水原玲を守り抜こうとしている。

 このまま負けを認めるしかないのか?

 いいえ!

 絶対に、認めるものですか!

 翌日。水原玲が出社すると、すぐに梅子が解雇されたという噂が耳に入ってきた。

 梅子は泣きながら会社を去ったそうで、設計部内はその話題で持ちきりだった。

 水原玲は特に反応を示すことも...

ログインして続きを読む