第238章

 石川秀樹は、彼女がまた拒絶反応を示し始めたのだと思い、さらに言葉を重ねた。

「学校へ行くなら、先生や友達と話さないわけにはいかないだろう? だから、人とコミュニケーションを取ろうとしない限り、パパは幼稚園に行くことを許さないぞ」

 水原千尋は瞳をくるりと動かし、向かいにいる水原一郎を見た。

 一郎が小さく頷くのを確認すると、彼女はようやく、仕方なさそうに首を縦に振ってみせた。

 やっと抵抗しなくなったのを見て、石川秀樹は安堵し、猫なで声で言った。

「それじゃあ香織、まずはパパって呼んでくれないか?」

「パパ!」

 幼い少女は出し惜しみすることなく、彼の望み通りに呼びかけ、おま...

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