第254章

「彼が来なくて、むしろよかったのかもしれないわね。おかげで誰も気兼ねすることなく、思う存分食べて、飲んで、騒いでいられるんだから」

 一次会の食事が終わっても、皆の興奮は冷めやらなかった。その流れのまま、一行は二次会のバーへと雪崩れ込んだ。

 水原玲はあまり乗り気ではなく、高塚礼佳に声をかけた。

「私は遠慮しておくわ。みんなで行ってきて」

「えっ、なんで? こんなに早く帰って何するのよ」

 高塚礼佳は納得がいかない様子だ。

「もう九時よ? 十分遅いじゃない」

 水原玲は呆れたように苦笑した。

 彼女は、何時まで遊ぼうと自由な独り身の同僚たちとはわけが違う。

 家には、二人の...

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