第271章

言わねばよいものを、その一言がかえって火に油を注いでしまった。祖父は彼女を睨みつける。

「六年前、お前がしゃしゃり出てあの二人の仲を引き裂きさえしなければ、今のあいつに家庭も嫁もないなんてことにはならなかったはずじゃ!」

話がめぐりめぐって、また水原玲と石川秀樹のことに行き着くとは思いもしなかった。

水原玲は無意識に石川秀樹の方を見た。ちょうど彼もこちらを見ていたところだった。

視線がぶつかる。

顔がカッと熱くなるのを感じ、彼女は慌てて顔を背けた。

祖父は二人のそんな様子には気づかず、佐藤雅子に怒鳴りつけた。

「それにここは石川家じゃ。わしはまだ死んではおらん! 秀樹の結婚に口...

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