第276章

 石川秀樹は素っ気なく言い放った。

「じいさんが望むなら、斎藤恭介に言ってもっと栄養士を送り込ませるぞ」

「栄養士に、玲ちゃんのこの腕前が出せるのかね?」

「試してみりゃいいだろ」

「試すまでもないわい。栄養士の料理が玲ちゃんに及ぶはずがない。玲ちゃんの料理には、心がこもっとるんじゃ」

 最後の一言を、石川の祖父はことさら語気を強めて言った。まるで、この孫に何かを気づかせるかのように。

 石川秀樹はこれ以上言い争うのも億劫になり、口をつぐんだ。

 水原玲もまた、困ったような苦笑を浮かべつつ、スープをよそって石川の祖父の前に置く。

「お義父様が気に入ってくださったなら、いつでも...

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