第301章

「香織ちゃんはまだ五歳の子供です。本来なら、誰かの恨みを買うようなことはあり得ないし、子供相手にこれほど悪質な手段を使う人間もいないはず。だから、犯人の狙いは私の友人か……あるいは、石川秀樹である可能性が高いと考えられます」

「あなた方は石川秀樹の部下です。友人の事情には詳しくないでしょう。だからこそ、彼女の友人である私の視点なら、あなた方が気づかない点に気づけるかもしれません」

 鈴木雲は一息にそう言い切った。

 渡辺勇介の眼差しに、驚きと称賛の色が混じる。この女、思いのほか理路整然としている。

 それに、彼女の言うことには筋が通っていた。

 渡辺勇介は斎藤恭介に顎をしゃくって合...

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