第326章

傍らで話を聞いていた鈴木雲は、水原心奈の声に反応して視線をやった。

一階の宴会場では、水原心奈が佐藤雅子に金魚のフンのように張り付き、何かを囁いては佐藤雅子を笑わせていた。

鈴木雲は露骨に嫌悪感を示し、鼻を鳴らした。

「あんな醜い恰好で、よくもまあ玲と張り合おうなんて思えるわね。勝負にすらならないわよ。さっさと失せなさいよ」

「雲おばちゃん、礼佳おばちゃん、なに話してるの?」

水原千尋も興味津々といった様子で覗き込み、水原心奈が石川秀樹の前に媚びるように歩み寄り、話しかけようとしている姿を目撃した。

途端に、水原千尋も顔をしかめる。

「うわ、安っぽい……。石川社長は目もくれてな...

ログインして続きを読む