第344章

「しかし……」

詩蘭こそがベストだ。彼だって一度は承認したじゃないか。今さら代役を探す必要があるのか?

専務は内心で悲鳴を上げたが、石川秀樹の不機嫌な様子を見ては口をつぐむしかない。それでも、すがるように懇願した。

「石川社長、どうかもう一度だけ詩蘭にチャンスをいただけないでしょうか。彼女はただ緊張していて、少し寝不足なだけで、本調子ではないんです。どうか、もう一度だけ……」

「チャンスというのは、準備ができている人間に与えられるものだ。プロ意識の欠片もない人間に、うちの商品を背負う資格はない。役を降ろせ」

石川秀樹は冷酷に命令を下した。

傍らで聞いていた白井詩蘭の顔から、みるみ...

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