第368章

水原玲はハッとして、箸を放り出すなり娘のもとへ駆け寄った。

腹痛で目を覚ましたらしい水原千尋は、まだ意識が朦朧としているのか、泣き混じりの声でしきりに「ママ」と呼んでいる。

胸が張り裂けそうな思いで、玲は娘の病床へ行き、その小さな体を抱きしめた。小さなお腹をさすりながら、優しく語りかける。

「大丈夫、大丈夫よ。ママはここにいるからね、怖くないわよ」

その声に、少女はようやく重い瞼を持ち上げた。玲の顔を認めた瞬間、堪えきれないように大粒の涙をこぼし、心細げに呟く。

「ママ……」

玲は身を切られるような思いだった。娘は健康優良児そのもので、病気などめったにしないし、ましてや泣くことな...

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