第371章

「な、何のこと?」

 小さな女の子はうつむき加減に、服のボタンをいじりながらとぼけてみせる。

 一方、傍らにいた水原一郎は、もう誤魔化しきれないと悟ったのか、あっさりと白状した。

「僕たちは馬鹿じゃないんですから。誰が僕たちのママかも分からないなんて、ありえないでしょう」

 石川秀樹は頷いた。その答えは予想の範疇だったようだ。

 彼は次に、水原玲へと視線を転じる。

「でお前は? いつ知ったんだ」

 口調こそ穏やかだったが、その身から放たれる圧倒的な威圧感と、逃げ場のない眼差しに、彼女は多少なりとも後ろめたさを感じずにはいられなかった。

 なにしろ、これほど長い間、隠し事をして...

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