第071章

水原玲は、なぜだか顔がカッと熱くなった。

まあいい。彼が自分のために怪我をしたのだから、これ以上とやかく言うのはやめよう。彼女はもう何も言わず、ハサミを取り出すと彼の上着の袖を切り裂いた。

すると、彼の腕には穴が空き、傷は深く、中にはまだ弾の破片が残っているのが見えた。

「先に残っている破片を取り出さないと。ここには麻酔薬がないから、少し痛むけど、我慢できる?」と彼女は尋ねた。

石川秀樹はただ彼女を見つめるだけで、その問いには答えなかった。

しばらく待っても返事がないので、水原玲は眉をひそめた。何か言おうとしたその時、彼の冷ややかな声が聞こえてきた。「水原さんは、一番関わりたくない...

ログインして続きを読む