第35章

階下のQUEEN芸能プロダクションでは朝礼が行われていた。突然、会議室のドアが乱暴に開けられ、「バン」という音と共に壁に激しく当たった。

一同は驚いて揃って入り口を見やると、宮原裕也が立っていた。彼の表情は険しく、恐ろしいまでの形相だった。

浅井立夏は宮原裕也の微細な表情の変化をすべて熟知していた。この表情を見た瞬間、彼女は大変なことになると悟った。

彼女は慌てて言った「今日の朝礼はここまでにしましょう。みんな解散して」

スタッフたちは次々と席を立って退室し、宮原裕也の傍を通る際には礼儀正しく挨拶をした。全員が出て行くと、小林は素早く会議室のドアを閉めた。

浅井立夏はサインペンを会...