第201章

山本美咲はその剣幕にビクッと肩を震わせ、その場に縫い止められたように一歩も動けなくなった。

彼が本気で激怒しているのが肌で感じられた。今にも自分の首を絞め殺しかねないほどの怒気だ。

市役所で置き去りにされた時は腸が煮えくり返る思いだったが、その後近くで交通事故があったと聞き、さらに救急車で運ばれた生死不明の重傷者が、あの忌々しい渡辺美代だと知った。

天は我に味方した。ついに目の上のたんこぶを消し去ってくれるのだ。

心の奥底から狂喜が湧き上がる。これで二度と男を奪い合うことも、自分の子が父親の愛情を他のガキと分け合うこともなくなる。

自分のお腹にいる子こそが、高橋家の唯一の跡取りなの...

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