第211章

高橋隆一は彼女の口に薬を無理やり押し込み、水一口すら与えなかった。

 山本美咲は何度か空えずきをしたが、薬はすでに食道を滑り落ちて胃のなかに収まっていた。彼女は完全な絶望とともにその場にへたり込んだ。

 高橋隆一は彼女が薬を飲み込んだのを確認した後、さらに三十分ほどその場に留まった。おそらく、彼女が吐き出すのを警戒してのことだろう。

 三十分後、彼は車に戻り中村政に告げた。

「精神病院へ向かえ」

 命令を受けた中村政は即座に車をUターンさせ、中村奈美が入院している病院へと車を走らせた。自らの社長がようやく立ち直り、あの女に制裁を下す気になったのを見て、彼がどれほど歓喜したことか。た...

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