第229章

彼女は少し心を落ち着かせてから口を開いた。

「彼、青海町に何をしに来たの?」

渡辺京は湯呑みを手に取り、一口すすった。

「まだ裏が取れていない。ただ、奴が青海町に着いて真っ先にしたのは家探しだ。身分証も本人のものを提示していたから、おそらく自分が住むつもりだろう」

渡辺美代の背中に、じっとりと冷や汗がにじむ。

「青海町に定住する気?」

それはとてつもない厄介事であり、いつ爆発するとも知れない時限爆弾を抱え込むようなものだ。

渡辺美代は胸騒ぎを覚え、もしかして彼が何かを嗅ぎつけ、子供を奪いに来たのではないかとすら疑った。

「お兄ちゃん、あの人、何か知ったのかな?」

渡辺京は少...

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