第108章 脅迫メール

副社長が去るのを見届けると、佐藤琳は森川汐里を憎々しげに睨みつけた。けれど結局、何も言い返せない。

――この女の強さは、身をもって知っている。

森川汐里とやり合うたび、佐藤琳は一度として上に出られなかった。今回は学習したのだろう。これ以上恥を晒すのはやめたらしく、踵を返して出ていった。

最初から最後まで、森川汐里は彼らを一瞥すらしない。マウスから手を離すこともなく、黙々と仕事を捌き続ける。まるで、そこに誰もいないかのように。

全員がいなくなったところで、汐里はようやく背伸びをした。

仕事はほぼ片づいた。残りはメールが二通。これを返せば、退勤できる。

――もうすぐ病院で、悦子に会え...

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