第117章 藤原由真は永遠に小野雨音を信じる

森川汐里がしばらく黙り込んだままなのを見て、藤原由真は訝しげに口を開いた。

「……どうした?」

汐里は結局、森川悦子の出自については言い出せなかった。視線を逸らし、話をすり替える。

「何でもない。もう遅いし、私は帰って休む」

口ではそう言いながら、胸の奥では、藤原由真という男に対する失望が底まで沈んでいた。

四年前もそうだった。

この男はいつだって小野雨音を庇い、彼女を押さえつけた。

そして今も、何ひとつ変わっていない。

そこまで雨音が大事なら、どうして自分に手を出したのか。

汐里には、藤原由真の心が何を求めているのか分からない。

ただ一つ確かなのは――彼女の中で、すでに...

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