第147章 褒め殺し

「気に入ったなら、それでいいよ。ねえ、ここでお勉強しよう? いい?」

森川汐里は根気よく、娘をあやすように言った。

森川悦子は大きくうなずく。

「うん! うん! 悦子、ここにいる! ここでお勉強する!」

顔いっぱいに笑みを浮かべ、これから始まる学校生活を心待ちにしているみたいだった。

どうして前の学校じゃだめなの、と悦子は聞かなかった。

ママがもう十分がんばっていることを、幼いなりに分かっている。自分はいい子でいればいい――それだけ。

悦子が反対しないのを見て、汐里はようやく胸を撫で下ろした。

子どもの心は繊細だ。まして悦子のように事情がある子は、学校や住む場所を頻繁に変える...

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