第157章 病弱な美人

目を覚ましたばかりの男は、病的なまでの蒼白さをまといながら、森川汐里の手首を掴む手に力を込めた。骨ばった指の関節が、ぎゅっと白くなるほどに。

藤原由真は汐里を離さない。まるで――あの頃を思い出したみたいに。

汐里は眉をひそめた。

「放して」

「放さない。お願いだ……行かないでくれ」

由真の声は喉の奥で詰まり、震えていた。

ぽとり、と。

目尻からこぼれた雫が、病室の清潔な白いシーツに落ちる。

汐里の視線がわずかに揺れて、男の瞳を避けた。

――前からこんなに、弱かったっけ。

甘ったれ、というより。

必死で縋りつく姿が、痛々しいほどだった。

惚れたら人は変わる。そんな話を、...

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