第161章 彼に一度の機会を与えた

藤原由真はひどくへりくだり、その謝罪も心からのものだった。

森川悦子がまだ幼いからといって気持ちを軽んじることはせず、彼女の言葉を一つひとつ丁寧に拾い上げる。

汐里と子どもたちに許しを乞うと決めた以上、彼はその決意を裏切らない。

けれど森川悦子は、謝られたからといって警戒を解かなかった。弟をかばうようにして、さらに二歩、後ろへ下がる。

「……ごめんなさいって言って、何になるの? この何年、ママがどれだけ大変だったか知ってる? 私と湊の面倒を見るのが、どれだけ苦しかったか分かる? たった一言で、取り戻せるの?」

堪えきれなくなった感情が、ついに決壊した。

まだ九歳。なのに悦子は、何...

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