第25章 私に感謝しなさい

「どうしたの? 命の恩人に対して、その態度?」

小野雨音は口の端をきゅっと歪めると、腕を組んで、見下すように森川汐里を眺めた。

森川汐里は眉を寄せる。

「……どういう意味」

「言葉どおり」

そう言い捨てて、雨音は脇の椅子にどかっと腰を下ろした。脚を組み、勝ち誇った顔で汐里を見上げる。

汐里の眉間の皺がさらに深くなる。

「何を言ってるのか、さっぱり分からない」

「ふん」

雨音が鼻で笑う。視線には露骨な侮蔑が混じっていた。

「まだ現実が見えてないの? 私が口添えしなかったら、藤原由真はあんたを餓死させるつもりだったんだから」

「信じない」

汐里は何かを考える間もなく、きっ...

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