第36章 彼女に何があったのか

二人が車に乗り込むと、車はゆっくりと走り出し、そのまま邸宅を後にした。

道中ずっと、小野雨音の機嫌はやけにいい。

藤原由真はそれに気づき、少し不思議そうに覗き込む。

「今日はやけに楽しそうだな」

「……っ」

雨音は一瞬だけ肩を跳ねさせ、顔にかすかな動揺を走らせた。けれどすぐに手をひらひらと振って、何でもないふりをする。

「別に……。由真とデートできるんだから、私が嬉しくたっていいでしょ?」

言い返されて、由真は言葉に詰まった。やがて小さく頷き、甘やかすように笑う。

「うん。俺の雨音が嬉しいならそれでいい。これからは時間がある日は、毎日でも付き合う。いいか?」

「ふん、やだ。...

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