第39章 色白で肌がきれい

「……汐里?」

森川汐里が顔を向けると、腹の突き出た男がのそのそと歩み寄ってきて、にやついた笑みのまま彼女の目の前で立ち止まった。

脂の浮いた頬、だらしなく緩んだ口元。

見ただけで胃の奥がむかつく。けれど、それを表に出す勇気はない。汐里は口角を引きつらせ、作り笑いを貼りつけた。

――この顔は、嫌というほど覚えている。

「おじさん。お久しぶりです」

男の名は森川国男。汐里の叔父だった。

国男はその一言が嬉しかったのか、顔の肉をさらに寄せて笑う。

「おお、俺の姪っ子じゃねえか。ほら、叔父さんに顔を見せてみろ」

そう言いながら、国男の落ち着きのない視線が汐里の身体を舐め回すように...

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