第42章 ここから逃げ出せ!

だからこそ、森川美香に薄々勘づかれていようと、汐里は簡単に諦めなかった。むしろ、別の隙を探し始める。

ただの外出理由では、森川美香が首を縦に振るはずがないことも分かっている。

そして、森川美香が本当に恐れているのが藤原由真だということも。

必要なときに彼の名を出せば、こちらが欲しい「機会」は引き出せる。

癒えかけた手首の傷を見下ろし、汐里は眉を寄せた。唇を噛み、ぐっと力を入れる。

びりっ。

皮膚が裂け、次の瞬間、血がつうっと――いや、どくどくと溢れ出した。

手首に走る痛みに、汐里は息を呑む。それでも残り少ない力をかき集め、よろめきながら部屋を飛び出した。

「た、助けて! 傷が...

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