第65章 見せしめに誰かを罰する必要がある

「私が何を言いたいのか……あなたなら分かってるはずよ」

森川汐里の瞳がすっと冷えた。纏う空気が変わる。背筋を撫でるような、上に立つ者の圧。

佐藤琳は胸の奥がひやりとした。けれど視線の端で、副社長室の扉がわずかに開いているのを見つけた途端、表情を整える。

「部長だからって、部下を好き放題いびっていいわけじゃないですよね」

そして机を指で叩くようにして言い募る。

「私、デスクでちゃんと仕事してました。何が起きたのか説明もしないで、分かれって……私、部長のお腹の中の虫じゃないんですけど!」

森川汐里は佐藤琳から目を逸らさなかった。今になって、ようやく分かったのだ。年下の「妹」みたいな顔...

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