第81章 海鮮アレルギー

「……いや」

絶対に、誰にも――自分の子供たちに指一本触れさせない。

とりわけ、小野雨音みたいな毒を腹に飼った女になんて。

小野雨音はずっと、森川汐里の心の揺れを観察していた。

けれど、期待したほどの反応は返ってこない。

痛みを重ねてきた女は、彼女が思うよりずっと強い。

汐里は、今すぐこの女の頬を張り飛ばしたい衝動を噛み殺しながら、表情ひとつ変えずに冷たく見据えた。

「……何が目的? 小野さん」

声の底に、刃のような危うさが滲む。

もう昔みたいに、黙って切り刻まれる森川汐里じゃない。

子どもに手を出すなら――絶対に許さない。

「私の目的? それはあなた次第よ」

雨音は...

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