第87章 責任を引き受ける

もともと、あの二人の家は裕福じゃない。

卒業してようやく、そこそこ安定した仕事にありつけたばかり。

それなのに、目の前でこんな大事故をやらかしたと分かった瞬間――彼らの頭にあったのは「早く逃げたい」の一択だった。

人間なんて、そんなものだ。

森川汐里も、別に驚きはしなかった。

ただ、鼻で笑う。

……私が、人を買いかぶりすぎた。

こんな単純なことすら、まともにできないなんて。

小さく息を吐き、汐里は淡々と言った。

「人を見る目がなかったのは認めます。でも、今回の事故は、私一人が引き起こしたものじゃ――」

言い切る前に、愉快そうな声が割り込む。

「ギャハ。自分勝手すぎません...

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