第7章

天音舞視点

禁じられた森が目の前にどこまでも広がっていた。ねじくれた枝は、まるで骸骨の指のように空へと伸びている。星野暁は、この道を熟知している者の確かな足取りで進んでいく。鬱蒼とした下生えを抜ける間、彼の手が私の手から離れることはなかった。

「まだ、どれくらい?」

倒木につまずき、私は息を切らした。

星野暁はすぐに立ち止まり、心配そうな目で私の顔を覗き込んだ。「もうすぐだよ、約束する。この先に小川があるから、そこで休もう」

その声の優しさに、胸が締め付けられる。これが、安心するっていうことなんだ。私は思った。神無月蒼真が「保護」と呼んだ、あの息が詰まるような支配じゃない...

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