第8章
天音舞視点
夜明けと共に崖の前哨基地に遠吠えが響き渡った。私は冷たいガラスに顔を押しつけ、神無月蒼真の戦士たちが巡回へと向かう準備をしているのを眺める。最近、狩人たちの襲撃は苛烈を極めていた。
月影零が険しい顔でドアを蹴破るように入ってきた。
「今回は俺が指揮を執る」と彼は戦士たちに告げた。
いい気味だわ。と私は思った。これでようやく、狩人たちが彼にとどめを刺してくれるかもしれない。
だが、そう思った瞬間、胸の奥がずきりと痛んだ。
一時間後、神無月蒼真が湖のほとりで私を見つけた。
「天音舞」彼の声はいつもより優しかった。
私は振り向かなかった。
「狩りに行かな...
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