第10章

「今から?」

 早乙女珠妃は窓の外の、まだ漆黒の闇に包まれた空を一瞥し、思案に暮れた。

 二人が席に着くや否や、使用人が手際よく食事を運んでくる。

 早乙女珠妃は内心で唸った。この天宮家の習慣は常軌を逸している。朝の四時から朝食だなんて。

 ということは、あの天宮徳臣は五時から執務を始めているということか。彼が帝都のトップに君臨し続けている理由が分かった気がした。この気迫と勤勉さには、さすがの私も脱帽せざるをえない。

 早乙女珠妃は決意した。今日から、私自身が発奮するのはもちろんのこと、周囲の人間も叩き直してやる。まずは、宇野火恋からだ。

 自宅のソファに座っていた宇野火恋が、盛...

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