第102章

早乙女珠妃は鼻で笑った。

「なんだかんだ言って、結局は惜しいのね。なら、この話はなかったことにするわ」

「惜しくない、惜しくない!」

早乙女正徳は慌てて彼女を引き止め、身を切られるような苦悶の表情で言った。

「渡すよ、渡す。やると言ったらやる!」

早乙女珠妃は唇を尖らせた。

「口約束なんて信用できないわ。今すぐ秘書に電話して、譲渡書類を作成させて」

早乙女正徳は渋々携帯を取り出し、電話で指示を飛ばして通話を終えた。

「これで満足か? だが、株式の譲渡には取締役会の承認が必要だ。手続きに三日はかかる」

「分かったわ。三日後にまた来る」

早乙女珠妃が立ち去ろうとするのを見て、...

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