第119章

物音に気付き、門番の老人が重い鉄扉の小窓を開ける。

外を覗くと、そこには若く美しい娘が立っていた。

ただ、その娘は少々気が短いらしい。老人の顔を見るなり、いきなり罵声を浴びせてきた。

「何ジロジロ見てんのよ。さっさと開けなさいよ!」

老人は宇野火恋をじろりと値踏みし、のらりくらりと答える。

「当院の規定により、面会は予約制となっておりましてな。お嬢さん、予約はあるのかね?」

宇野火恋は眉を吊り上げ、声を荒らげた。

「見舞いなんかじゃないわ。人を探しに来たの」

「どなたをお探しで?」老人は問い返す。

「早乙女珠妃よ。中に入れるか、彼女を連れてきなさい」

「聞いたことも見たこ...

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