第12章

「そういうわけではありません」

 え? 

 坂東院長は一瞬、言葉に詰まった。この早乙女珠妃という女性、どうにも常識の型にはまらない。

 天宮徳臣が面白そうに事の成り行きを見守っているのに気づき、早乙女珠妃はようやくゆっくりと口を開いた。

「十割の確信はありませんが、三割の勝算ならあります。徳臣様の怪我は重く、時間も経過していますから」

 彼女は淡々と治療方針を述べた。

「まずは漢方と鍼灸の手法を用いて身体を徐々に回復させ、万全の状態に整えてからオペを行います」

 そう言い終えると、彼女は挑発するように眉を上げて天宮徳臣を見据えた。

「たったの三割です。それでも徳臣様は賭けます...

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