第169章

その言葉を聞いた瞬間、清野雪音の目元が赤く染まり、あやうく涙がこぼれ落ちそうになった。

徳臣兄さんが、自分を褒めてくれたのだ。これまでの数日間、来る日も来る日も徹夜で努力を重ねてきた甲斐があったというものだ。

彼女はポケットの中にある小瓶に触れたが、結局、その手を離した。

雪音はこの瞬間、固く決意したのだ。もう二度と、こんないかがわしい手段を使って天宮徳臣を誘惑したりはしない。これからは正々堂々と天宮徳臣の隣に立ち、彼と肩を並べるにふさわしい女になるのだと!

一度だけ、賭けさせてほしい。もしかしたら、勝てるかもしれないのだから。

「ありがとうございます、天宮社長。これからも精一杯努...

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