第171章

「本当にこれでうまくいくの?」

 土井千影がなおも疑念を抱いているのを見て、天宮北斗は慌てて言葉を継いだ。

「うまくいきますとも。考えてもみてください。今の清野家の窮状なら、清野雪音が一流デザイナーになったと知れば、骨の髄までしゃぶり尽くそうと金を要求してくるに決まっています」

「でも、清野家は底なし沼よ。清野雪音ごときに、十億も二十億も稼ぐ甲斐性があるとは思えないわ」

「まさか、あり得ないなんてことはありませんよ」

 土井千影は首を横に振る。

「仮に稼げたとしても、清野家の連中が一度あの子を見つけたら、私の言うことなんて聞かなくなるわ。そうなったらどうするの?」

「おや、奥様...

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