第20章

清野雪音は冷ややかな笑みを浮かべた。

「ただの昔話よ。地に落ちた麒麟児なんて、疎まれて当然だわ。叔母様だって分かっているでしょう?」

土井千影はそこでようやく合点がいった。かつて天宮徳臣が足を悪くした際、清野雪音は彼を厭い、捨てたのだと。

土井千影は声を上げて笑った。

「いい度胸だねえ、ハッ。天宮家の若様を捨てるなんて、誰に似たんだか」

清野雪音の瞳に後悔の色は微塵もなく、あるのはただ、この世の不条理に対する憤りだけだった。

「計算違いだったのは、清野家の没落が予想以上に早かったことだけよ。もし分かっていれば、あの時手を離したりはしなかった」

そう言うと、彼女は欲望に爛々と輝く...

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