第202章

電話の向こうの土井千影が応答しないのを確認し、清野雪音は昂る動悸を抑え、無理やりにでも冷静になろうと努めた。

少し間を置き、彼女は再び勇気を振り絞って発信ボタンを押す。

意外なことに、今度は繋がった。

「もしもし、叔母さん……」

清野雪音がそう呼びかけた瞬間、電話口から土井千影の気怠げな声が響いた。

「叔母さんなどと呼ばないでちょうだい。私はそんな風に呼ばれる覚えはないわ」

その声色だけで、土井千影がまだ怒り心頭に発していることを察知した清野雪音は、慌てて謝罪の言葉を口にする。

「叔母様、まだ怒っていらっしゃるのですか? 私が帝都を離れたのは、本当にやむを得ない事情があったから...

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