第231章

コーエンは悔しさに歯噛みしたが、川元一泉相手には手も足も出なかった。

川元一泉の姿が完全に見えなくなるまで待ち、コーエンは慌てて携帯電話を取り出し、通話ボタンを押した。

その声は切迫し、狼狽の色を隠せない。

「あのアマミヤとかいう男の素性、調べろって言っただろ! まだなのか!」

電話の向こうから、困り果てたような声が返ってくる。

「ボス、それが……調べはついたんですが、情報が不完全でして」

「分かったことだけでいい、すぐに送れ!」

コーエンは怒鳴り散らすと、乱暴に電話を切った。

待つこと数秒、着信音が鳴り響く。

開いてみれば、それは天宮徳臣に関する身辺調査報告書だった。

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