第50章

早乙女珠妃の医術の師、それが誰なのかを知る者は一人としていない。

天宮徳臣は思案した後、こう告げた。

「後ほど詳細を調査し、必ず説明いたします」

天宮大奥様は立ち上がり、冷ややかな声で言い渡す。

「ええ、その説明を待っていますよ。ただ、はっきりするまでは珠妃に足を触らせてはいけません」

天宮徳臣は無言で頷き、承諾の意を示した。

大奥様が去った後、天宮徳臣は車椅子の背もたれに深く体を預けた。

早乙女珠妃が自分を騙すとは思えない。だが、目の前の事実は説明がつかないことばかりだ。

「若様」

川元が入室し、静かに佇む。

天宮徳臣は彼を一瞥し、口を開く。

「若奥様の件、何か見落と...

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