第51章

天宮老夫人は腹の底で煮えくり返るような怒りを覚えていたが、それを顔に出すことはなく、早乙女楽己に向かって穏やかに語りかけた。

「今日はこの年寄りの話し相手になってくれて、ありがとうね。若い方は外で活動するのがお好きでしょうに、私のような静かな年寄りに付き合わせてしまって、退屈だったでしょう」

「さあ」

天宮老夫人が手招きすると、執事がすぐに小箱を捧げ持ってきた。中には一対の翡翠の腕輪が鎮座している。

老夫人は腕輪を手に取ると、それを早乙女楽己の手首にはめた。

「年を取ると、こういう翡翠や玉といったものが好きになるものでね。この一対はあなたによく似合うと思って。あげるから、遊びでつけ...

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